「重すぎる」PDFの原因は、たいてい一つです。写真やスキャンしたページが、画面表示に必要な解像度よりはるかに高い解像度で保存されているのです。圧縮はこうした画像を再エンコードすることで機能します。もともとコンパクトなテキスト、ベクター図形、埋め込みフォントは、あまり小さくなりません。
このガイドでは、TokPDFの各圧縮レベルが実際に何をしているか、どれを選べばよいか、ファイルが小さくならないときにどうするかを説明します。TokPDFは、PyMuPDFエンジンのWebAssembly版を使ってブラウザ内で圧縮するため、ファイルがアップロードされることはありません。エンジンの読み込みがあるため、初回だけ少し時間がかかります。
4ステップでPDFを圧縮する
1つのファイルなら、初期設定のままで十分なスタートになります。結果がまだ大きい、または画質が許容できない場合にだけ、品質レベルを変更してください。
PDF圧縮を開き、ファイルをページにドロップするか、クリックして選択します。一度に最大10ファイルまで追加できます。
品質レベルを選びます。初期設定の中(バランス)が、ほとんどの文書に向いています。
タイトルや作成者などの文書プロパティも削除したい場合は、作成者・編集者のメタデータを削除にチェックを入れます。
圧縮ボタンをクリックし、新しいサイズを確認してダウンロードします。圧縮後のほうが元より大きくなる場合は、すでに十分最適化されているとTokPDFが知らせ、元のファイルを返します。
圧縮レベルごとの違い
レベルで決まるのは、画像を再エンコードするときのJPEG品質と、大きな画像をどこまで縮小するかの2点です。レベル名は圧縮の強さではなく画質を表しています。つまり、最も小さくなるのは低品質です。
ピクセル数の上限は、各画像の短辺に適用されます。4000×3000の写真は「中」で1600×1200になりますが、ノートPCの画面では十分シャープで、小さなサイズなら印刷にも耐えます。
| レベル | JPEG品質 | 短辺の上限 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| 低品質 | 40 | 720px | メール添付や画面で読むだけの文書など、サイズを最優先したいとき |
| 中(バランス)(初期設定) | 65 | 1,200px | ほとんどのレポート、スライド資料、スキャンした書類 |
| 高品質 | 85 | 2,000px | 拡大して見る写真が含まれる文書 |
| 最高品質 | 95 | 3,000px | 画質を保ったまま軽く整理したいとき。削減できるサイズはわずか |
ファイルに起きること
すべての画像は、手を加える前にチェックされます。50ピクセル未満または10KB未満の画像はそのまま残します。透明部分やマスクを持つ画像も対象外です。JPEGに変換すると見た目が崩れるためです。それ以外の画像はJPEGとして再エンコードされ、新しいデータが元より10%以上小さい場合にだけ採用されます。このルールにより、ほとんど差の出ない節約のために画質を落とすことを防いでいます。
画像の処理後は、使われていないオブジェクトを取り除き、内部ストリームを圧縮してファイルを書き直します。テキストはテキストのままです。選択・検索・コピーができ、リンクも動作し、ページが画像化されることもありません。
- 維持されるもの:テキスト、フォント、リンク、しおり、フォームフィールド、ページレイアウト。
- 変更されるもの:ほとんどの写真やスキャン画像がそのレベルの品質のJPEGになり、非常に大きな画像は縮小されます。
- 削除されるもの(任意):作成者、タイトル、作成ツールなどの文書メタデータ。
複数ファイルの圧縮:Standard、Condense、Photon
2つ以上のファイルを追加すると、圧縮アルゴリズムの選択肢が追加で表示されます。Condenseは上で説明したエンジンで、初期設定です。Standardは、まず別のエンジン(cpdf)でファイル構造を書き直し、500KBを超えるファイルに同じ画像処理を行います(最高品質を除く)。Photonは性質が異なり、すべてのページを150DPIのJPEGとしてレンダリングし、その画像から新しいPDFを作ります。
Photonは、複雑なベクターアートだらけのPDFなど、他の方法では小さくならないファイルも縮められます。ただし代償は小さくありません。テキストの選択や検索ができなくなり、リンク、フォームフィールド、コメント、しおりも失われます。見るだけの文書に使い、契約書や記入が必要なフォームには使わないでください。一括処理では、ファイルごとのダウンロードは元ファイルと結果のうち小さいほうを返しますが、ZIPには生成された結果がそのまま入っています。ZIPを送る前にサイズを確認してください。
小さくならないPDFがある理由
TokPDFが「すでに十分に最適化されています」と表示した場合、たいていその通りです。次のようなケースでは、圧縮で取り除けるものが残っていません。
- テキストだけの文書。Wordから書き出した40ページの契約書は、ほとんどがテキストとフォントで、すでに500KB未満であることも珍しくありません。再エンコードすべき大きな画像がありません。
- すでに圧縮済みの画像。適度なサイズのJPEGとして保存された写真は、置き換えの条件である10%の削減に届きません。
- 白黒のスキャン。スキャナーはページを1ビット画像として非常に効率よく圧縮して保存することが多く、JPEGにするとかえって大きくなります。
- 埋め込みフォント。日本語・中国語・韓国語のフォントをフルセットで埋め込むと、数MB増えることがあります。TokPDFはフォントの削除やサブセット化を行いません。文字の表示が崩れる恐れがあるためです。
- 透明部分のある画像。アルファチャンネルを持つロゴや切り抜き画像は、仕様として処理対象外です。
メールやアップロードの容量制限に収める
Gmailは25MBを超える添付ファイルを受け付けず、アップロードフォームの多くは5MBや10MBの上限を設けています。品質への影響が小さい方法から順に試しましょう。「中」で圧縮し、まだ大きければ「低」にします。スキャン中心のファイルなら、カラーが必要かどうかを検討します。それでもだめな場合に、一括処理でPhotonを使うか、文書を分割します。
画像の圧縮は元に戻せません。元のファイルは必ず残し、送信用にはコピーを圧縮してください。
プライバシーと実用上の制限
処理はお使いのデバイス上で行われるため、TokPDF側でファイルサイズの上限は設けていません。実際の限界はデバイスのメモリです。500MBのスキャンデータは、デスクトップPCなら問題なく圧縮できても、古いスマートフォンでは失敗することがあります。大きなファイルが止まってしまう場合は、他のタブを閉じるか、パソコンを使ってください。
パスワード付きファイルは、追加するときに処理されます。TokPDFがパスワードを尋ね、ブラウザ内でロックを解除し、解除したコピーを圧縮します。圧縮後のファイルにはパスワードが付かないため、必要な場合はあとからPDF暗号化を実行してください。選択肢についてはPDFにパスワードを設定する方法のガイドで解説しています。